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宝くじ当たったのに換金しない?~消滅時効について~

今年もあと残すところ1カ月をきりました。
年末になるとクリスマスや、私の大好きな大みそかの格闘技イベントなどが予定されていますが、毎年年末になると年末ジャンボ宝くじが発売されます。

前後賞を合わせると10億円があたる夢のような宝くじですが、当選しても、換金しないまま放置しておくとどうなってしまうのでしょうか。

この点について、主に宝くじの販売などの規制することを内容とする当せん金付証票法という法律に規定されており、「当せん金付証票の当せん金品の債権は、これを行使することができる時から一年間行使しないときは、時効によつて消滅する。」とされています(同法12条)。

すなわち当選してから何もせずに1年間が経過してしまうと時効により換金することができなくなってしまうことになります。
せっかく当選した宝くじを換金しない人がいるのかと思ってしまいますが、年末ジャンボ宝くじを含め、年に5回あるジャンボ宝くじでは、毎年度100億円をこえる当選金が換金されずに時効になっているとのことでした(1億円以上の高額当選金も時効になっているようで、換金しないのであればぜひ自分に譲ってもらいたいと思ってしまいますね。)。

この当せん金付証票12条でも記載されている時効という制度ですが、権利を行使することができる人が一定期間権利を行使をしない場合には、権利が消滅するという消滅時効の制度が民法上採用されています。

令和2年4月1日に施行された改正民法により、消滅時効については原則として、債権者が権利を行使することができることを知った時(主観的起算点といいます。)から5年または、権利を行使することができる時(客観的起算点といいます。)から10年のいずれか早い方とされました。

このように、債権を有していても一定期間権利を行使をしないと、消滅時効により消滅してしまうリスクがあるため、長期間放置している債権などがあれば、是非早急に弁護士にご相談いただくことをおすすめします。
特に、不法行為に基づく損害賠償請求権などは異なった時効期間となっているため、ご自身の債権の時効期間がお知りになられたいという方も是非ご相談ください。

また、消滅時効については、仮に時効期間が経過していたとしても、債務者が支払義務のあることを承認した場合には、消滅時効を主張することができなくなってしまうため、債務を消滅させたい人は、消滅時効の意思を表示(援用といいます。)する必要があります。

長期間支払っていない債務などがあり、ある日突然督促が来たという場合には、その債権が消滅時効にかかっている可能性もあるため、ご自身で対応する前に是非一度弁護士にご相談ください。

 

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