弁護士コラム

2022.04.06

キャラクターケーキ、勝手に作って大丈夫?
~著作権侵害について~

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皆さんはケーキをよく食べますか?

私の家では、長男の誕生日、妻の誕生日がいずれも12月にあるため、各誕生日とクリスマスにケーキを食べる機会が一気に増えます。
昨年は大丈夫でしたが、今年は30代後半になるため、胃もたれしないか今から心配です。

お子さんの誕生日やクリスマスにはお子さんに喜んでもらおうと、お子さんの好きなキャラクターなどがデザインされたケーキを作ってもらうご家庭も少なくないのではないでしょうか。

キャラクターケーキ、勝手に作って大丈夫?~著作権侵害~について

皆さんは、キャラクターのケーキを作ってもらう時に、「著作権は大丈夫なのか」と思ったことはありませんか?
『ケーキ屋さんが販売しているから大丈夫だろう』と思っている方がほとんどだと思いますが、実は多くのケーキ屋さんでは、著作権者の許可をとらずに作成しているケースが非常に多いです。
そして、キャラクターの絵が記載されているケーキは、簡単にいうとぱっと見て「あのアニメのキャラクターだ」と分かる内容のものを販売した場合には著作権侵害行為に該当します。

この点、ご自宅でご自身がご家族のためだけに作成するような場合には、私的私用のための複製行為として違法な行為に該当するものではありません。
しかし、キャラクターケーキを販売することを謳って、お客さんからのオーダーを受けて料金を受取り作成する場合には私的利用の範疇を越えた違法な行為に該当します。

著作権侵害を行った場合、民事での損害賠償のみならず、犯罪行為として処罰の対象にもなります。
先日、人気漫画の「鬼滅の刃」のキャラクターが描かれたケーキを無許可で販売したとして、自営業の男性が著作権法違反で書類送検されたというニュースがありました。

著作権

このように、法律的な観点からいうと、おそらく多くのケーキ屋さんで著作権者の許可を得ずにキャラクターケーキを販売しており、著作権侵害行為を行っているのだと思います。
しかし、著作権者においてすべてケーキ屋さんを調べること等、事実上不可能であることや、大目に見てもらっている、というのが正直なところかと思います。

したがって、キャラクターケーキが売れることに味を占め、インターネットなどで大々的に宣伝したり、多額の収益を得ている状況が著作権者に知られた場合には、どのケーキ屋さんでも著作権法違反で検挙される危険性があるという状態だということは強く認識していた方がいいでしょう(簡単にいうと、高速道路でみんなスピード違反をしている状態でどの車が警察につかまるか分からないという状況とあまり変わりはないと思います。)。

また、注文する側が何も問われないかというと、厳密にはそうではなく、著作権法違反であることを認識しながら作成を依頼した場合には、共同不法行為として著作権者から損害賠償を受ける、ということにはなってしまいます。

大切なご家族の笑顔を見るために、頼んだキャラクターケーキが原因で、トラブルに巻き込まれるということはとても悲しいことなので、もし、キャラクターケーキなどが欲しい場合には、きちんと著作権者から許可を得ているところから購入したいですね。

 

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