【ご相談者様からのご質問】
先生のブログを拝見すると,要件を満たしているのであれば破産の手続きを選択した方がよいとのことでした。ただ,破産となると近所の人に破産したことがバレてしまわないかとか,破産後の生活でいろいろと制限があるのではないかと不安になってしまいます。
【弁護士からの回答】
借金問題に関するご相談において,ご相談者様のお話をひととおりお聞きして,「破産した方がよいでしょう」とアドバイスした際に,「破産はちょっと・・・」と抵抗を示される方が少なからずいらっしゃいます。
破産に抵抗を示される理由として,破産に対するイメージの悪さや間違った情報により,破産することができないとして返済が困難であるにもかかわらず任意整理など選択してしまうと,後々返すことができなくなってしまい,経済的再建が図れなくなってしまいます。そこで,今回から複数回にかけて,破産に関してよくなされるご質問について1つずつ回答していくことで,破産に対するイメージを変えていければと考えています。
Q1.破産をすることになったら,債権者が家に押しかけてこないか心配です。
A.以前にもお伝えした通り,弁護士が受任通知を送付すると,貸金業者は直接の取り立てや連絡が禁止されます。したがって,破産する旨通知したとしても通常の消費者金融の場合には自宅に押しかけてくることはありません。もっとも,個人的にお金を借りていた知人の人の場合には,返済を求め自宅に来る可能性は否定できませんので,個人の借り入れの方がいらっしゃる場合には,事前に弁護士にご相談ください(相手が感情的にならないよう,事前に電話などで説明することなどもできます。)
Q2.戸籍や住所に破産者としての記載が載ってしまうのですか?
A.そのようなことはありません。破産をしたとしても戸籍や住民票に破産したことがあるとの記載がなされることは一切ありません。もっとも,会社を倒産する場合には,会社の登記に破産したことにより閉鎖された旨の記録が残ることになります。
Q3.日経新聞などに破産したことが載ってしまうと聞いたのですが・・・
A.これも事実に反します。破産した事実が通常の新聞に載ることはありません。もっとも,裁判所に対し,破産の申し立てを行い,破産手続開始決定が出た後と,免責決定(債務の返済を免除する決定です。)が出た後の2回だけ,官報という,国の広報誌には名前が載ることになります。
もっとも,官報を通読されているというかたはほとんどいらっしゃらないと思いますし,官報に掲載されるのは,破産や民事再生などを行った非常に多くの方と一律に記載されるものであるため,官報に名前が記載されることによる弊害は事実上ほとんどないと言ってよいでしょう。