仕事をしているとよく耳にする「経費」という言葉。
これって何のことか、知っていますか?
1.そもそも経費って?
いきなりですが皆さん、経費って何だと思いますか?
接待に使った食事代、会社で必要なパソコン代等、仕事中、よく耳にするこの経費という言葉・・・。そう!支払ったお金のことです!
しかし、実はこの支払ったお金には2種類あって、それが「資産」と「費用」に分かれます。
まずは、「資産」について。
これは簡単に言うと目に見えるものです。つまり、形があって効用が継続するものになります。
目に見えるものということは、先程でてきたパソコンは、資産になります。もちろん、パソコンを買うためにはお金が必要ですが、私たちは、お金を払う代わりに、パソコンという資産を手にいれるのです。
それに対して「費用」は、お金を払っても別のものは何も手に入りません。
例えば電車代。業務の中でどこかに出かけることがあると思います。その時会社から目的地まで移動をするためにお金を払うのですが、「資産」のように目に見えるものは何も手に入りません。手に入っているのは、電車に乗って移動するという効用であり、効用は電車を降りた時点で残っていません。こちらの「費用」が、みなさんがよく耳にしている一般的に「経費」と呼ばれるもののことなのです。
以上のことをまとめると・・・
「資産」=お金を払う代わりに「目に見えるもの」が手に入る
「費用」=お金だけが減り、「目に見えるもの」が手に入らない
ということになります。
2.「経費」にするメリット
1で、支払ったお金には2種類あることをお話ししました。
しかし、この支払ったお金が「資産」か「経費」、このどちらにあてはまるかなんて、そんなに重要なのでしょうか。
1を読むと、お金が無くなるだけの経費よりも、お金を払う代わりに別のものが手に入る資産が多い方が、会社にとっては良いように感じます。
けれど、税金のことを考えれば、資産よりも経費になったほうが良いのです。
税金は、商売をしていくうえで、必ずついてくるものであり、会社にとってコストのひとつになります。コストとなるのなら、可能な限り安く抑えたいというのはみなさん同じですよね。
そんな税金は、基本的には利益に対して課税されます。つまり、税金のことを考えれば、経費が増えた方が良く、経費が増えると、利益が小さくなる、すると支払う税金が少なくなる、ということになります。
では、税金を安く抑えたいからと言って、お金だけが減り、目に見えるものが手に入らないものすべてを経費にしてもいいのでしょうか?
実は、これだけでは経費にすることができません。利益というのは、売上から経費を引いたものになるので、この2つは対応していなければなりません。対応というのは、ただ経費をつかうのではなく、「売り上げをあげるため」に「経費」を使う、ということです。
例えば、住宅兼店舗の場合の光熱費。この場合は、売り上げに必要な店舗で使った分の光熱費のみを経費とすることができます。
以上のことから、経費にするためには、売上との対応関係は必ず必要だということが分かったかと思います。
3.経費にもなる資産
2で、経費は売り上げをあげるために使ったものとお話ししましたが、そう考えるとパソコンや机などの資産も売り上げをあげるために使っているものと考えることができます。
では、これらは資産だけでなく経費にもなるのでしょうか?
答えは「なる」です。そうすると、資産と経費に分ける必要なんてないのではないか?と考えますよね。けれど、分けなければならない理由がきちんとあって、その理由が、資産は何年も使えるからなのです。
例えば「パソコン」。これは、買った時だけでなく、何年も売上をあげるために使用しているため、経費とも言えます。つまり、パソコンがある限り売上との対応関係は続いていくことになります。
それでは、具体的にどのようにして資産を経費にするのでしょうか?
手順として、まずはパソコンをいったん資産にします。そこから、その年の売り上げをあげるために使用した分だけをその年の経費にして、毎年少しずつに分けて経費にしていきます。これを減価償却といいます。
1度に経費にするのではなく、毎年少しずつ経費にしていくことで、資産を経費にしていくのですが、何年間経費として使えるのか、これは誰にも分かりません。長く使えるかもしれませんし、すぐに壊れてしまって、使えなくなるかもしれないのです。
このように、どれくらい使えるかというのは誰にも分らないため、目安としての期間が法律で定められており、これを耐用年数と呼びます。これは国税庁のホームページから知ることができるので、是非参考にしてみてください。
4.まとめ
今回は、経費とはそもそも何か、経費にするメリット、経費と資産との関係についてお話ししました。
仕事をしていくうえで経費は切っても切れないものですし、知っているか知らないかで大きく変わってくるものだと思いますので、この記事を読んだことを機に、少しでも多くの経費に対する知識を身につけて、これから役立てていただければと思います。