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お祭りに関する法律

夏休みも終わり、学童期のお子さんがいらっしゃるご家庭では、新学期が始まっていると思います。
うちの長男も夏休みの間はコロナもあったため、家にいることが多く幼稚園が始まるのを何日も前から待ち遠しそうにしていました。

コロナウイルス感染拡大により、一昨年より地域のお祭りなども中止になっていましたが、今年から徐々にお祭りも開催されるようで、9月の12日から筥崎宮で放生会が3年ぶりに開催されるとのニュースを見ました。

私自身、福岡出身ではなく、今まで筥崎宮(はこざきぐう)の放生会(ほうじょうや)に行ったことがなかったので、今年は感染対策を万全にして、家族で行ってみようと思います。
ちなみに筥崎宮放生会とは、春の博多どんたく・夏の博多祇園山笠とならび博多三大祭りに数えられており、「万物の生命をいつくしみ、殺生を戒め、秋の実りに感謝する」お祭りです。
その起源は「合戦の間多く殺生すよろしく放生会を修すべし」という御神託によるもので、千年以上続く最も重要な神事です。

そんなお祭りですが、多くの人が関わるものであるため、お祭りに関連する法律もいくつかあります。
まず、お祭りに欠かせない屋台は、飲食物を取り扱うため、食品衛生法に基づき保健所の許可を得る必要があります。
この許可については、臨時屋台(営利を目的としていないイベントで出店しているような屋台をいいます)として扱える食品が限定されており、仕込み作業を露天では行ってはいけないことや、かき氷には飲料水を利用し、手やほこりなどで汚れない構造にすることが求められています。

また、子どもから大人まで魅了する花火ですが、花火をお祭りで使用する場合には、いわゆる玩具花火ではない場合、火薬類取締法に基づき各自治体に対して届出をし、打ち上げ花火の場合には、煙火消費許可を得る必要があります。

このように、お祭りに際していろいろな観点から許可や届出をする必要がありますが、こういった許可に関する法律とは別にいわゆる「お祭り法」という法律があります。
正式名称は「地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する法律」といい、地域の伝統芸能を活用し、観光や商工業の振興をはかる目的で平成4年に制定された法律です。
市町村に伝わる伝統芸能を中心としたイベントの企画・実施に、国が費用の一部を補助することなどが規定されているものです。

皆さんも、コロナウイルス感染が続くなか、お祭りに行かれる方は感染対策を十分にされた上で、楽しまれてください。

 

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