弁護士コラム

2022.12.14

持ち帰りお断りは可能?

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皆さんは、飲食店で食事をした際、食べ残した物を持ち帰ることはありますか?
私の家では、母や父が率先して持ち帰ることが多く、小さい頃は家でも食べることができると喜んだものですが、思春期のころは恥ずかしく思い、やめてほしかった記憶があります。

では、食べ残したものを持ち帰ることについて、お店が拒否した場合には認められるのでしょうか。

これについて、明確な判例や法律があるわけではないです。
例えば、飲食店での食事において売買契約であると捉え、注文の時点で料理の所有権がお客側に移っていると考えると、持ち帰りを認めなければならないということになりそうですが、あまりそのような考えは一般的ではないでしょう。 

お店側が許可した場合に、持ち帰りが認められるのが一般的ではないでしょうか。
しかし、テイクアウトを行っている飲食店が持ち帰りを認めないということは、矛盾が生じる恐れがあるのではないかと思います。
こうしたお店で提供した飲食物の持ち帰りについて、法律で何か規制がされているかというと、食品の安全について規律した食品衛生法には何ら規制されていないため、あくまでもお店の自主ルールに任されていることになります。

持ち帰りお断りは可能?

とあるお店では、全て自己責任、すなわち持ち帰った食品で、万が一食中毒などが起こったとしても一切お客に対して店側が責任を追わないということを約束させたうえで、認めているというお店もあるようです。
しかし、お客との間で一切責任を負わないと約束したとしても、食中毒等が出てしまった場合には、食品衛生法上、お店は一切責任を負わないということにはならないということになるため、持ち帰りを認めるか否かはとても慎重になる必要があります。

お店の対応として何が正解というものはありませんが、食中毒のリスクが生じない食品についてはテイクアウトを認めるという選択か、リスクを防ぐため一律持ち帰りを禁じるというのもいいかもしれません。
そして、トラブルを防ぐためにも持ち帰りを認めているのか、禁じているのかについては、あらかじめお客さんにもわかるように掲示しておいた方がいいと思います。

持ち帰りお断りは可能?

少し話は変わりますが、通常の飲食店ではなくバイキング等の食べ放題のお店で料理を持ち帰ることは認められるのでしょうか。

これについては、食べ放題やバイキングはあくまでそのお店の中であれば好きなだけ食べてもよいというものであり、好きなだけ持ち帰ってよいという内容ではありません(それが認められるのであれば、大量の容器を持っていきいくらでも持ち帰ることができることになってしまい、皆がそれをしだしたらお店はつぶれてしまうでしょう。)。
したがって、バイキング等の食べ放題で店に無断で料理を持ち帰ってしまうことは、刑法235条の窃盗罪に該当する恐れがあるため、くれぐれも控えた方がいいでしょう。

食品ロスを防ぐためにも、食べ放題でもそうでなくても自分たちが食べきれることができる量を注文するよう心がけたいですね。

 

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